「よかろう伝承者
	 争いに敗れ散っていった無数の男たち‼
	 おまえもその男たち同様ここで供養してやろう‼」
	 
	かつて[北斗神拳]の第63代伝承者をリュウケンと共に争った男「コウリュウ」
	今回は、コウリュウの開発時のエピソードを紹介したいと思います。
	数ある拳士の中で、今回なぜコウリュウを選んだかと言うと、
	コウリュウは、原作98話と99話の2話分しか登場シーンがなく、これまでの北斗シリーズにおいても描かれることが少なかった拳士なのですが、
	そのため資料が少なく、初期実装でプレイアブル化するにあたり
	北斗リバイブ開発として設定した内容が他拳士よりも多く、思い入れのある拳士なのです。
	原作以上の表現をしたい時、どうゲームとして表現するのか。そういった部分を今回は紹介します。
	 
	
		 ■コウリュウ
	
	
		かつて[北斗神拳]の第63代伝承者をリュウケンと共に争った男。
	
		拳の腕はリュウケンにも勝ったとも言われるが、
	
		伝承者の座はリュウケンに譲り、
	
		自ら拳を封じ山に籠って伝承者争いに敗れた男たちの供養を続けている。
	
		(cv:藤原 貴弘)
	
		 
	
		まずはモデル制作について。
	
		ラオウとの対峙シーン。体格を比べてみるとほぼ同じ。
	
		リュウケンと龍虎と並び、その拳はリュウケンよりも上だったという記述からラオウの体格をベースとして制作しています。
	
	
		 
	
		体格は原作からすぐに読み取ることができますね。
	
		モデル制作にあたり時間がかかったのは、配色でした。
	
		登場機会の多い拳士であれば原作で有名なコマは究極版表紙等でカラーなっていますが、
	
		コウリュウは滅多にカラー化されることがなく、またこれまで北斗シリーズ作品でもモデルが制作されたことがありませんでした。
	
		そのため、漫画のコマの見た目をベースに、濃淡からカラーパターンを作成。
	
		原先生に確認していただき、最終的には青色ベースを採用。
	
		伝承者争いを行ったリュウケンと対をなすようにしています。
	
		この配色は、後に他の作品でコウリュウが登場する際もベースになるようになりました。
	
	
		 
	
		次に奥義に関して。
	
		コウリュウの奥義「七星抹殺」は、ラオウに放つも拳を打ち砕かれて不発に終わっています。
	
	
		 
	
		原作では不発に終わってしまったこの技をどう表現するのか。
	
		前後の動作やセリフ、そして技の特性を考え「七星抹殺」の完成形を作成します。
	
		まず注目は技の特性。
	
		「むっ!七星抹殺とはおのれの命を捨て敵の命を奪う相打ちの拳‼」とラオウが語っています。
	
		本来は拳が決まれば自身もダメージを負う自爆技。
	
		拳のフィニッシュ時に、振り返った後に胸に手を当てながらゼェゼェと息を切らす表現を加え、
	
		自身のHPを消費する性能にしています。
	
		ラオウの説明の通りお互いに一撃で倒れてしまうことも考えられますが、
	
		敗れた拳でもあるため、ダメージを受ける形にとどまりました。
	
	
		 
	
		次にモーションと演出。構えは両腕を前に突き出す形。ラオウに突撃する際には胸の前で手を交差させるコウリュウ。
	
		ここでも命をかける拳という特性を演出に盛り込んでします。
	
		腕の動きで北斗七星をなぞり、その後光る死兆星。七星の力を死兆星に捧げることで自爆技をより印象的に表現しています。
	
		これまでの動きや演出も原先生たちと議論し、この形へと至りました。
	
		このように、原作でも登場の少ない拳士も原先生監修のもとに補完し、魅力ある拳士に仕上げています。
	
		 
	
		最後におまけ。衣装も実装前のデザイン案があるので紹介します。
	
		衣装は2019年の12月に初登場したクリスマス衣装。
	
		所持していない人でも、拳士詳細の衣装アイコンから確認することができます。
	
	
		 
	
		運営初期に近いため、季節ネタ要素が強い衣装になっています。
	
		山籠もりをしていたコウリュウにはピッタリの衣装です。
	
		第一稿はほぼサンタ。
	
		ネタ要素強めと言えどもただのサンタになってしまっては世紀末とのズレが大きすぎるため修正。
	
		北斗の世界観に寄せ、その後に減らしすぎたサンタ要素を再度足し直して完成しました。
	
		衣装は基本的に原作衣装のシルエットを崩さないことに重点を置いています。
	
		 
	
		[第一稿]              [第二稿]