「わたしは とうに女をすてたわ
	 今あなたの目の前にたっているのは女ではない
	 この村を守るためのただの戦士マミヤよ」
	マミヤは北斗の拳でも数少ない闘う女性として登場しています。
	ゲームでもリリース当初男性拳士25人、女性拳士2人と圧倒的に女性が少なく、
	女性キャラメインのゲームが増える一方でこの割合は、北斗の拳ならではと言えます。
	男女比率もそうですが、実際暴力が支配をする世紀末の世で、過酷な環境でも強く生きようとしたマミヤ。
	マミヤはそういった背景や意志も盛り込んで制作をした拳士です。
	 
	 ■マミヤ
	両親が開墾した村を守るため、闘いに身を投じる女戦士。
	ヨーヨーや峨嵋刺(がびし)などの武器を駆使して闘う。
	20歳の誕生日にユダに両親を殺され拉致されたことをきかっけに、
	自ら女を捨て愛を放棄し戦士としての生き方を選んだ。
	(cv:生天目 仁美)
	 
	まずはイラストの制作過程を紹介します。
	原作参考はもちろん、漫画以外で描かれたイラストなども参考にしながらイラストを書き起こしていきます。
	基本は漫画ですが、時代とともに洗練されていく”今”のキャラクターはイラストのほうが参考になります。
	しかしマミヤは主要キャラではあるものの、ケンシロウやラオウ達と比べてイラスト資料は少なく、
	今、原先生はどうマミヤを描くのか、というのを模索しながら制作を進めました。
	 
	あたり線画  >  カラーラフ①  > カラーラフ②  >  仕上げ前
	 
	ケンシロウが一瞬見間違うほどユリアと瓜二つ、という設定から多少ユリアを意識しつつ制作。
	そのため表情から可愛らしく女性らしい雰囲気が感じられる形になりました。
	しかしながら、過酷な環境と過去を持って生き抜いてきたマミヤ。
	闘いの最中のポーズとしては合っていないので、仕上げ段階で気の強い表情に修正をしました。
	 
	[仕上げ前]      [完成稿]
	 
	数少ない女性キャラなのでモデルの造形は他のキャラクターよりも力を入れています。ポリゴン数も多くなっています。
	またマミヤのモデルは時代時代に合わせて少しづつ変化しており、最新のモデルとして作成しています。
	漫画連載時に抱いたマミヤへの憧れ。いつまでたっても理想の女性として想ってもらえるようになっていたら嬉しく思います。
	 
	次に衣装制作について紹介します。
	衣装は2020年の2月に初登場したバレンタイン衣装。
	所持していない人でも、拳士詳細の衣装アイコンから確認することができます。
	元の服装のシルエットを尊重しつつ、鋲(スタッズ)のついた黒ボンテージ。
	監修時にいただいた「太ももに峨嵋刺を装備しては」も採用し、世紀末感も感じられる攻めた衣装になりました。
	バレンタインなのでハートも印象的。
	この黒ボンテージの前には別案がありました。
	[衣装案①]                  [衣装案②]
	 
	マミヤにこんな衣装を着させたら、という妄想があふれ出ています。
	衣装案①はバレンタインのイメージの元、パティシエ風+ゴシックロリータ。
	妄想が先走ってしまい、強い女性というマミヤのイメージと世紀末要素が皆無だったためにあえなく不採用。
	衣装案②は①をベースにマミヤの元衣装のシルエットに寄せた案。
	やはりゴシックは世紀末と合わないので、ゴシックは除き、世紀末要素を下地に再構成した形としてバレンタイン衣装が完成しました。
	 
	イラストや衣装、そして表情一つを取っても、世界観を感られるようにしたいという
	原先生のこだわりをこの時に痛感しました。
	後日URで実装した「マミヤ 荒野に咲く花」そして衣装も、この時に得た観点を元に作成しました。
	そういった視点を持って改めて見返してみると、北斗の拳の世界観をより感じられるのではないかと思います。